活動趣旨

小委員会名:空地アーバニズム小委員会

主査:遠藤新(工学院大学)

【設置目的】

少子高齢化、人口減少と経済縮退を背景として空き地が増加,常態化していく都市においては、建築的利用を前提とした過渡的な状況として空き地を捉えず、「空いていること」に価値を見出し利活用する方策こそが求められる。空き地が常態化してもなお人が都市に魅了され暮らし続けるには、空き地から人間と都市の関係を再考することが必要ではないか。本小委員会は、個々の空地対策のみに着目するのではなく、空き地が増加・常態化していく都市のあり方そのものを抜本的に問い直し、都市のレジリエンスやサスティナビリティ、あるいは都市の魅力や文化、アイデンティティを継承するための空地デザインについて研究する。

【活動計画】

1.シンポジウム等の企画実施

・空き地の公共的利用を実践するための空地マネジメントと空地デザインのあり方、それらを成立させるためのプロセスと持続するための仕組み等について議論し、空地デザインとしての手法と課題を考察する。

・国内空地事例の類型別ケーススタディとデータベースの充実。

2.国内外事例研究報告と議論

・各委員が国内事例調査(以下候補)を分担し、小委員会時にケーススタディ成果や委員各自による国内外調査の成果を報告する。

・小委員会では、空き地が増加・常態化しつつある都市において、空き地の公共的利用を実践 する主体と公共的利用のための空地デザイン(空いていることを活かした空間デザイン)のあり方、それを促す制度的枠組みを検討し,空地の価値・文化・思想を根底とした空地デザイン技術の体系化を目指す。ここでは公共的利用を、空地的な利用に限定した上で、一般的な公共空地(国や自治体が管理する公園、運動場、霊園など)としての利用だけでなく、NPOによる公益的利用、市民・地域住民等によるコミュニティ利用、あるいは人が利用しない生態系利用(環境への公共貢献)といった利用に広げて考える。空地としての多様な公共的利用の可能性が具現化されるような制度や事業手法を用いた国内外の空地デザイン事例を分析し、空き地の公共的利用を促す空地デザイン技術として体系的を目指す。

・市場原理に応じた利用ではない公共的空地利用の成立要件を理解する必要がある。空き地の公共的利用の実態と仕組みが,その地域社会においてなぜ成立しているのか。空地デザインの事例分析に際しては、次の3つの視点を設定し,その背景を探る。

1)空地の価値:その公共的空地利用は、地域社会に対してどのような価値をもたらすか?

2)空地の文化:その公共的空地利用は、どのような歴史的経緯のもとに生まれてきたのか?

3)空地の思想:その公共的空地利用は、どのような思想・理念によって支えられているのか?

・空き地の公共的利用を成立・促進する制度的枠組みの検討は以下4点の事例分析を行う。

(1)公共的利用のスキームを支える制度的枠組み

(2)公共的利用の受け皿となる組織等の制度的枠組み

(3)公共的利用を持続的に運用するための制度的枠組み

(4)公共的利用のための空地デザインそのものを成り立たせる制度的枠組み

 

過年度の活動計画(空地デザイン小委員会)

2015 年度

空地デザインのサブテーマとして、(1)戦術的アーバニズムとしての空地デザイン, (2)生態学的アーバニズムとしての空地デザイン, (3)回復力のあるアーバニズムとしての空地デザインの3つを設定し、サブテーマ毎に事例収集と動向の調査分析を行い、空地デザインの重要論点と研究課題の整理を行う。

2016 年度

空地デザインの重要論点と研究課題に対して、サブテーマ毎にケーススタディを行い、空地デザインの方法論の構築にむけた作業課題を提示する。研究成果は公開研究会等の場での発表を計画する。

(1) 戦術的アーバニズムとしての空地デザイン(建築×アーバンデザイン)

プレイスメイキングの手法に注目しながら、委員の研究・実践フィールドの一つを用いた社会実験等を通じての空地デザイン、社会実験から都市変革へのプロセスの計画をケーススタディとして行う。

(2) 生態学的アーバニズムとしての空地デザイン(建築×ランドスケープ)

グリーンインフラ政策で注目される都市を対象に、空地デザインとグリーンインフラ政策の関係、生態学的視点からの空地デザインの要点を研究する。

(3) 回復力のあるアーバニズムとしての空地デザイン(建築×土木デザイン)

東日本大震災の被災地における復興計画・復興事業等を対象として、災害危険区域における空地のデザインと持続可能な利活用の方策について、地元自治体または地元コミュニティと協働で研究する。

kuchiurbanism
空地アーバニズムの概念(2016年3月17日ver.)

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